一人多重録音 第2話

私は楽器屋に行き、多重録音できるあの機械を探しました。

そしてついに4トラックカセットテープMTRを購入したのです。

それは画期的でした。

4トラックまでなら音が劣化せずに一人多重録音ができるのです。

とりあえずドラム、ベース、ギター、ボーカルは確保です。

楽しくて仕方ありませんでした。

しかし、人間欲が出てくるもので、今度はコーラスも多重録音したくなってきました。

ところがもうトラックがありません。

で、よく説明書を読んでみるとピンポン録音というものがあるではありませんか!

これで3トラック分の演奏を残りの1トラックにまとめれば、3トラックは空きスペースができる計算です。

しかし、実際にやってみると、ラジカセで多重録音していた頃のような音痩せや劣化があり、最初に録音したものは後で各楽器の微調整は不可能ということがわかりました。

それに、隣同志のトラックの音が微妙に重なっており、分離がはっきりしていないために、ある音が不自然に強調された音になってしまいます。

何か工夫が必要でした。
続く

一人多重録音

楽器を初めて間もなくの頃、自分演奏を録音してそれを聴くのがとても楽しみでした。

当時はラジカセか、録音可能なタイプのウォークマンをスタジオに持参してよく録音していました。

そのうちに、自分で曲を作って録音したくなり、ラジカセを2つ使って超アナログ多重録音していました。

1.ラジカセAでギターを録音する

2.ラジカセAを再生しながら歌を歌いラジカセBで録音する

3.ラジカセBを再生しながらラジカセAでベースを録音する

こんな感じでやると一人でギター、ベース、歌を演奏したデモが出来上がります。

ただ、もしも実際にやったことがある方ならお分かりだと思いますが、
マイクも使わずにこんな録音の仕方をしていたら
音が痩せてしまい、最初に録音したものが線の細い、場合によってはわずかにしか聞こえない代物になってしまうのです。

なんとか良い音で録音したい一心で外部入力端子付のラジカセを持っている友人から借りたり、カセットテープダビング機能付のラジカセでダビング中にマイク録音したりと、いろいろと試したものです。

そしてある時、スタジオで友人の友人が持ってきた機材に目が釘付けになりました。

なんと、彼はたくさんのツマミが付いた重量感たっぷりの機材を持参して来ていたのです。

彼はたくさんのマイクを各楽器の近くにセッティングし、録音してくれました。

後日それをカセットテープに落としてもらったものを聴かせてもらいましたが、その高音質に驚きました。

そして絶対にあの機材を買って一人多重録音をすると心に誓ったのです。

続く

照明の効果

ライブの演出では照明の効果を取り入れます。

周囲が暗く、ステージが明るいという環境はステージを際立たせます。

照明の光の色が与える心理的効果によって、楽曲の印象を強化します。

スモークの効果があればより光が美しく映えるので、幻想的な空間を演出することができます。

ステージ上では色の変化は観ているときほどは感じませんが、ステージ上から客席を照らすような照明がオンになると、明るくなると同時に暑くなります。

演奏している方も気持ちが変わります。

同じ演奏をしていても薄暗いステージと明るいステージでは曲の印象が
ガラッと変わることもあります。

大きな箱でライブするときはリハーサル時に照明の打ち合わせもします。

大掛かりな舞台装置を使うコンサートでは、音源と照明を同期する場合もあるようです。

そうなると緻密なステージングが可能ですよね。

でも演奏者、特にドラマーにとっては
プレッシャーも高まるでしょうね。

曲調にピッタリくる照明だと演奏していてテンションが上がります。

魅せるための効果は最大限に使いたいですね。

ハットタンバリン

ハットタンバリンとは、ハイハットの上に載せて、ハイハットを踏んだ時にタンバリンを鳴らすものです。

以前はよく使っていました。

John Bonhamが使っていたやつです。

ハットの音にジングル音がプラスされて面白い効果が出ます。

大音量のバンドの中でも聴こえます。

主にハットを叩いている時以外に使用しますが、叩いて使用することもできます。

私は最初に円のタイプを使っていたのですが、これだとハットを普通に叩く時に邪魔になるのです。

引っ掛けてしまい、スティックを落としてしまったこともあります。

そこで、半円の物を買い直しました。

これは長く使いました。

今は使っていません。

タンバリンの音はジャストで鳴らすのが難しいのです。

残響も残るので、気になり出すと同時に使わなくなりました。

手で持って叩くにしても、私にとっては気軽に叩ける楽器ではありません。

手に持って叩いていたこともありますが、かなり練習していましたね。

子供でも叩けるし、カラオケに行っても置いてある、非常に単純で馴染み深い楽器ですが、私は奥が深いと思っています。

ちなみにボーカリストがタンバリンを叩きながら歌う姿はカッコ良いので好きです。

ささやかな挑戦

日々新たな挑戦をしたいと思っています。

そしてそれは大きな事じゃなくても良いと思っています。

例えば小さな実験。

スティックのグリップの位置をほんの少し変えるとか
イスの高さをほんの少し変えるとか

そして自分の感覚を信じて叩いてみるのです。

いつも結果が出るわけではなく、むしろ今まで通りで良かったという事のほうが多いのですが

もしかすると今までに無かった新しい発見があるかも知れません。

いつも通りが良いとは限らない、と疑ってみる、そして少し変えてみる

そんなささやかな日々の挑戦が固定観念を打破するきっかけになるかも知れないのです。

慣れの中に潜む危険というものは必ずあります。

いつも同じことをしていて、なんとなくこれで良さそうな感じではあるけれど、ちょっと変えただけで劇的に良くなった

そんなこともあるのです。

私の場合はスティックのグリップの長さで実感しました。

無意識を意識することで、抜群にコントロールしやすくなりました。

こんなささやかな挑戦を日々大事にしています。

唯一無二の演奏家

ある曲を演奏するとき

楽曲に対する愛情を表現したい
ここで盛り上げたい
ここで抑えたい
喜びや悲しみを表現したい

等、様々な感情をドラミングに変換する必要があります。

抑揚をつけながら
叩きまくったり
間を空けたり
ときには抜いたり

方法はたくさんあります。
ドラマーの数だけあると言っても良いでしょう。

表現方法がたくさんあれば、表現するための道具である楽器もたくさんあります。

たくさんある楽器の中から自分の選んだ楽器を使い、自分でチューニングをし、自分の叩き方で叩く

このようにして自分の音、自分の演奏は成り立ちます。

ある程度真似はできますが、全く同じにはなりません。

でも、同じにならないから面白いのですよね。

たくさんある組み合わせの中から、奇跡的に表現されたものが私の演奏であり、あなたの演奏です。

他の誰かがどんなに頑張ってもあなたと全く同じ演奏はできません。

演奏のレベルについては向上させる努力が必要です。

しかし、わたしもあなたもすでにこの世界で唯一無二の存在なのです。

唯一無二の演奏家なのです。

自分の得意分野を生かして輝きましょう。

グッズ作成

普段全くやらないことに挑戦してみました。

今後の活動のためのグッズ作成です。

今回は準備段階としてTシャツのサンプルを作成してみました。

コンビニにはプリンターがあり、写真やPDFは何度かプリントしたことがあったのですが、
調べたところ布に転写するためにはインクジェットプリンターでなければならないとの情報がありました。

家のプリンターはしばらく箱にしまったままで、電源を入れてもエラーが出てしまうため諦めていました。

しかし久しぶりに電源を入れてみたところ、稼働しそうな感じだったため、急遽インクと転写シートと無地のTシャツを購入。

プリンターにカートリッジをセットすると復活しました。

説明書に噛り付きながらプリントし、アイロンがけです。

このアイロンがけがポイントのようなのですが、

普段のアイロンがけの仕方ではなく、
まずは全体に軽く
体重を乗せて5秒間
少しずらして5秒間
仕上げは全体に

といったやり方です。

慣れない作業だったため時間がかかりましたが
なんとか3パターンが完成。

初めてにしてはなかなかの仕上がりです。

今の時代ネットで調べれば大抵のことは知識として得られます。

でも、実際にやってみるという体験はネットで調べただけでは得られないですよね。

最近は買い物もネットで済ませることが多かったので、
今回のように必要なものを買い物に行って
実際に作成するという一連の工程を当たり前にこなすということが
とても新鮮に感じられました。

物創りって楽しいですね。

ドラムを叩きながら歌う

ドラムを叩きながら歌う

これは本当に難しいです。

別々ならできることでも、同時にとなるとかなり練習が必要になってきます。

普段ドラムを叩いているときには身体がどれくらい揺れているかなど考えないほうが多いでしょう。

でも歌うとなると、声を出したときに身体が揺れると声も揺れます。

それを効果的に使えれば良いのでしょうが、なかなかそうはいきません。

いかに手足を動かしても体幹が揺れない叩き方ができるか

がポイントです。

とは言え、自然な揺れを抑えるとノリまで抑えられている気がしますよね。

という事は、自然な揺れだけを残して手足の動きを独立させるような身体の動きが理想でしょう。

私が今まで生で観た中でのベストは
つのだ☆ひろさんです。

ご縁があってライブを観させていただく機会があるのですが、
自然な揺れでノリを出しながら素晴らしいドラムを叩き、素晴らしい歌を歌います。

歌もドラムも思い通りといった感じです。

きっと体格に恵まれているというのもポイントなのでしようが、
そうでなくても出来ることはあるはずです。

できるだけ小さな身体の動きで叩くのはまだまだ練習の最中ですが、
やり続けることが大事です。

私ももっと練習したいと思っています。

身体を使う

ドラムは座って演奏するものではありますが、それにしては身体の動きが他の楽器と比べて大きいと思います。

他の楽器もアクションを取り入れたりすると動きが大きくなりますが、ドラムはアクションを取り入れなくても動きが大きいです。

私は、この身体の動きがビートを作り出すという感覚が好きです。

継続してビートを刻むことによってグルーブが生まれる感覚が好きです。

もちろん力を抜くことの大切さは身をもって体感していますし、力を抜かなければ良い音は出ません。

しかし、ここぞという瞬間にはやはり力が入ります。

その瞬間に大きな音、爆発的な連続音が必要だと思えば思い切り大きな力を使います。

そしてこれは力んでしまっているのではなく、力をコントロールした結果なのです。

この音が曲に対して躍動感を与える結果につながるのなら、ドラムの役割としては最高の役割ですよね。

ドラムは小さな音から大きな音までダイナミクスを表現することができる楽器であり、その特徴を上手く生かすべきです。

時には思い切り身体を使った大きな表現によって
大きな感情の振れ幅を表現するのも良いですね。

音の記憶

私の母はクラッシックが大好きです。

家でレコードをよくかけていましたので、私はそれをなんとなく聴いていたのだと思います。

ベートーベンの抑揚が激しいのがお気に入りです。

無音に近い静かな演奏の場面から急に音が大きくなったりするのでビックリしたものです。

中でもカラヤンという指揮者が好きで、カラヤンの良さを幼い私に語っていました。

でも、クラッシックは幼かった私にとっては1曲が長すぎて飽きてしまうので、ちゃんと聴いたことはありませんでした。

そして、せっかくそのような環境にいたのに、私はパンクロックに目覚め、ロックドラマーになっていきました。

ドラムを始めた16歳の時、ギターやベースにも興味を持ち、ほぼ同時進行で弾き始めました。

でも結局ドラムだけが長続きして今に至っています。

自分の意思で音楽を聴き始めたきっかけはパンクロックでしたが、大人になってから思ったのは、幼い頃になんとなく聴いていたクラッシックが実は私の音楽の根本にあるのかもしれないということでした。

音から受ける印象、響きに対しての感覚的な部分の基礎が作られたのかも知れません。

ドラマーですがメロディやハーモニーにこだわりがあります。

ギターで言うと開放弦が鳴っているコードの響きが好きです。

自分でコードを発見することに喜びを感じます。

ベースで和音やアルペジオを弾くプレイヤーが好きです。
あの低音の混ざり具合がたまりません。

バイオリンの伸びやかな音と抑揚の表情が好きです。

基本はドラマーなのですが、好きな音の感じはメロディやコードの印象で決まっているのかも知れないです。

これらは意識していないところで受けた音の記憶に影響を受けているのかも知れませんね。