以前仕事で身障者と関わっていた事があります。
その中でも知的障がいと身体障がいの両方を持っている方々と関わりました。
彼ら彼女らにはそれぞれの個性があります。
程度により色々なのでしょうが、
私が関わった人たちは
人と合わせようとか、恥ずかしいから人と同じような事をやろうとか、そういう考えはあまり伺えない、本来的に純粋な心を持った人たちでした。
そして、彼らとセッションしてみてわかった事がたくさんあります。
彼らに楽器の正しい演奏方法を教える事にこだわらない方が良いです。
彼らは独自の方法で楽器の鳴らし方を習得します。
コンガは爪で叩いたり指で叩いたり、バリエーション豊富でした。
目の見えない彼女は
オルガンは指一本で、鍵盤の上を指を滑らせながら弾いていました。
自由にさせておくと、彼らは実に楽しそうに楽器を鳴らします。
そしてこちらが彼ら側に寄り添っていき、音を合わせます。
合奏してひとつの演奏になったとき、
彼らはとても喜んでいる様子でした。
ただ、これもひとつの例であって、合奏を好まない人もいます。
言葉を発する事が出来ない人たちと、このように合奏する事ができるというのは、私にとっては大変な驚きであり、喜びでした。
で、彼らは機嫌が悪いと全然集中できなかったり、全く演奏しなかったりします。
どこまでも正直なのです。
私たちならどんなに嫌な事があっても、決められたステージはこなすでしょう。
子供の頃からそう教育されてきているからです。
でも、本来はやりたいときにやるのがアートです。
私たちは良くも悪くも教育の影響を受けており、それは大抵の場合気がつくこともないくらいに深く頭の中に染み込んでいます。
純粋な彼らと関わったことで、そんな今までに感じた事のないような事を日々感じ、学ばされていたのでした。